長く立ち上がった花茎に、ベルのような形の花を下向きにたくさん咲かせてくれるジギタリス。
大株に育ち、素敵なイングリッシュガーデンの景色を作ることが出来る人気のお花です。
今回の記事では、ジギタリスの育て方、種まきや植え付け方などについてご紹介します。
ジギタリスはどんな花でしょう?
原種は、ヨーロッパと北東アフリカから中央アジアにかけて、約20種類が分布しています。日本には江戸時代、シーボルトによってもたらされました。「キツネノテブクロ」という別名があります。
草丈がとても高く伸びて咲きますので、とても存在感があります。大きいものでは、人の背丈を超えるほどに育ちます。スッと伸びた花穂に、ベル形の花をたくさん咲かせてくれます。
大きくて花姿が独特ですので、遠くからでもよく目立ち、人目を引きます。
花色はピンク、白、赤紫、クリーム、オレンジ、黄、紫、茶、複色などがあります。花筒の内側に、斑点の模様があります。
本来は宿根草なのですが、耐暑性が弱いですので、暖かい地域では夏に枯れてしまう事が多いです。そのため、多くは二年草として扱われます。
ジギタリス |
科名 ゴマノハグサ科 |
特性 二年草または耐寒性宿根草 |
花期 5~7月 |
草丈 60~180cm |
耐寒性 強 耐暑性 弱 |
*すべての部位に毒性がありますが、薬草(強心利尿剤)としても利用されています。
ジギタリスの育て方は?
適した場所
日当たり~半日陰の、水はけの良い場所で育てましょう。強い西日の当たる場所は避けます。
明るい日陰でも、良く育ちますよ。
水はけが悪いと、根腐れしやすくなるから気をつけるのだっぴー。
夏越し
鉢植えの場合は、花が終わって花茎を切り戻したら、できるだけ涼しい場所に鉢を移動させましょう。
冬越し
寒さには強いですが、霜柱が立つような場所では、霜よけをする方が無難です。
冬の間(秋から春先まで)はあまり生育しません。
開花のためには、ある程度の大きさに達した苗が、冬の低温に合う必要があります。
増やし方
種まきと挿し木で増やすことができます。
種まき
花が終わったら、種を採ってすぐにまく(取りまき)にしても良いです。7月上旬までにとりまきにすると、翌年に花が咲きます。冷暗所で保管しておいて、9月にまくことも出来ます。
ジギタリスの種は、取りまきが簡単で、おすすめです!
種からでも育てやすいのだっぴ―!
①底に穴があいたトレーなどに、種まき用の土を入れ、水で湿らせておきます。
②土の上に、種をバラまきします。
種は、好光性種子(光が当たることで、発芽する種)ですので、覆土はしません。
ジギタリスの種は、とても小さくて細かい、砂のような種だっぴー。色は茶色だっぴー。
⓷土の表面を手のひらで軽く押さえます。種が流れないように、ごく弱い水流で水やりします。
*発芽するまでは土を乾かさないように、明るい日陰で管理します。
*発芽したら、適宜間引きながら育て、本葉が2~3枚出た頃に、ポットに植え替えましょう。
*育苗期間中にも液肥などを施して、生長させるようにしましょう。
*9月上旬に種をまく場合は、発芽後は陽の当たる暖かい場所で生長させるようにします。年内に5号鉢(直径15cm)に鉢上げ出来るくらい大きくなると、翌年の春に花が咲きます。
挿し木
適期は、6月頃です。
①ポットに、挿し木用の土か赤玉土を入れて、水で湿らせておきます。
②ジキタリスの伸びた茎の側枝を切り取り、下の節(節:葉が付いている部分)の葉を取り除きます。残った葉は、蒸散を防ぐために、半分くらいの大きさにカットします。
⓷葉を取り除いた下の節が、土の中に隠れるように、ポットにさします。
④たっぷりと水やりしたら、明るい日陰で管理します。
*発根するまでは、土を乾かさないようにしましょう。根が十分に生えたら、秋に花壇や植木鉢に植え替えます。
植え付け
適期は、9月中旬~10月頃です。
秋~早春に出回るポット苗を入手した場合は、すぐに植え付けましょう。草丈が高くなりますので、花壇の後方に植え付ける方が良いでしょう。
秋に植え付けた苗は、一年目よりも二年目の春の方が立派に育ちますので、じっくりと育てましょう。
地植えの場合
①植え場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕しておきます。元肥の緩効性肥料も混ぜておきましょう。
私は、赤玉土と軽石の小粒を少し混ぜて、水はけと水持ちを良くしていますよ。
②土の表面を平らにしたら、植え穴を掘ります。
⓷ポットから取り出した苗を置いて、高さを調整します。
④周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤たっぷりと水やりします。
*大きく育ちますので、株と株の間は30~50㎝程度あけるようにしましょう。
*植え付けた後は、霜が降りるまでに出来るだけ大株になるように、適宜肥料を施しながら育てます。
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、ネットに入れた鉢底石を1cmくらい敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の高さになるように土を入れます。元肥の緩効性肥料も混ぜておきましょう。
土は市販の草花用培養土か赤玉土7:腐葉土3で配合した土でも大丈夫です。
私は、水はけを良くするために、どちらの土にも小粒の軽石を少し混ぜています。
⓷ポットから取り出した苗を置いて、高さを調整します。
苗を植えた土の表面が、鉢の縁から1.5cm位下になるようにウォータースペースをあけておきましょう。
④鉢を揺すったり、土を指で押したりしながら、苗の周りにも隙間のないように土を入れます。
⑤鉢底から流れるくらいたっぷりと水やりします。
*大きく育ちますので、株と株の間は30~50㎝程度あけるようにしましょう。
*植え付けた後は、霜が降りるまでに出来るだけ大株になるように、適宜肥料を施しながら育てます。
植え替え
適期は、9~10月頃です。
鉢植えの場合は、鉢の中に根が回って、鉢底から根が出てくるようなら、1~2回り大きな鉢に植え替えます。
水やり
地植えの場合・・・根付くまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。根付いた後は、特に水やりの必要はなく、降雨にまかせましょう。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。土が湿った状態が続くと、根腐れすることがありますので気を付けましょう。
肥料
植え付けの時に、元肥の緩効性肥料を土に混ぜておきます。
苗がしっかりと根付いてきたら、冬の時期以外は2週間に1度程度、薄めた液肥を施して生長を促しましょう。
春(3月頃)にも、緩効性肥料を株元に施しましょう。
病害虫
アブラムシ・・・開花中から花後にかけて、花穂に発生することがあります。発生した場合は、花茎を早めに切り取ります。種を採る場合は、花茎は切らずに枯れるまで残しますので、虫を手で取り除くか、薄めた牛乳をスプレーするか又は薬剤を散布して駆除しましょう。
必要な作業
〇花がら(終わった花)は、こまめに摘み取りましょう。
〇花穂の頭頂部の花が開いた頃に、花穂ごと切り取ると、下の節(葉の付いている部分)から側枝が伸びて、もう一度花が楽しめます(2番花)。
花穂を切り取った後は、肥料を施しておくと良いのだっぴー!
種を採る場合は、花穂を切らずに残しておきます。茶色く枯れてきたら採種しましょう。
〇花穂が長く伸びて花が咲きますので、花の重みで倒れないように、早めに支柱を立てて支えておきましょう。
〇枯れた下葉は取り除きましょう。また、株元の葉が地面近くで大きく広がるので、適宜取り除きましょう。蒸れを防ぎ、病害虫の予防になります。
まとめ
ジギタリスは、縦にスッと伸びた花穂に、華やかにお花を咲かせてくれます。大きく育ちますので、花壇の後方に植えて、他の草花と組み合わせると、かなり素敵になります。縦に伸びて咲きますので、バラとの相性もバツグンで、素敵なイングリッシュガーデンの景色を作ることができます。わが家の花壇にも欠かせないお花で、毎年種から(正確には、こぼれ種からですが・・・)育てています。種からの栽培も割と容易ですので、初心者の方にもおすすめです。ぜひ育てて下さいね!
ジギタリスの育て方のポイントは・・・
- 水はけの良い場所で
- 適宜肥料を施して、生長を促しながら
- 根腐れしないように、水はけに気を付けて
あなたのお庭やベランダに、素敵なジギタリスの花が咲きます様に。
パッと目を引くお花が咲くのが、楽しみだなっぴー!
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