花穂をスッと立ち上げて、たくさんのお花を咲かせてくれるストック。
花持ちが良くボリュームがありますので、切り花としても人気のあるお花です。
今回の記事では、ストックの植え付けや種まき、お手入れの仕方などについてご紹介します。
ストックはどんな花でしょう?
細長い花穂に、ボリュームのある豪華なお花を咲かせてくれます。縦のラインが美しく、花は花穂の下から咲き上がっていきます。

花には、ほんのりと甘い香りがあります。
花色は赤、ピンク、黄、紫、白などがあり、濃い色のものから淡い色のものまで、たくさんの色合いがあります。
咲き方は、豪華な八重咲と奥ゆかしい一重咲きがあります。茎が枝分かれせずに咲くタイプのものと、枝分かれするスプレー咲きのもの、草丈の低いタイプ(矮性)のものなどがあります。

園芸店で見かける、草丈40cm程度のもの(矮性種)は、耐寒性に優れていますので、花壇や鉢植えにして戸外で育てる事が出来ます。
草丈の高いタイプ(高生種)は、種がよく出回っています。
原産地は、南ヨーロッパです。本来は多年草なのですが夏の暑さに弱いですので、日本では一年草扱いとなっています。
茎がしっかりとしていて花持ちが良く、優しく香りますので、冬から春にかけての切り花としても、とても豪華で人気があります。
あまり手間がかからず育てる事が出来ますので、初心者の方でも大丈夫です。
ストック |
科名 アブラナ科 |
特性 半耐寒性一年草 |
花期 11月~4月 |
草丈 20~80cm |
耐寒性 普通 耐暑性 弱 |
ストックの育て方は?
適した場所
日当たりと水はけの良い、戸外が適しています。
土は、弱アルカリ性の水はけの良いものが適しています。
冬越し
基本的には戸外で育てますが、強い霜に当たると枯れてしまいます。冬は霜よけなどの防寒対策が必要になります。
地植えの場合・・・北風が当たる場所を避けて植えます、寒冷紗などをかぶせて、霜よけをします。
鉢植えの場合・・・霜の降りる心配がある場合には、室内に取り込むか、霜の当たらない軒下などに移動させます。
増やし方
種まきで、増やす事ができます。
種まき
温暖な地域では、9~10月頃が適期です。
寒冷な地域では、3~4月頃にまき、初夏~夏に開花させます。
①ポットに新しい草花用の培養土を入れて、3~4粒程度づつ種をまきます。薄く覆土(土をかぶせる)します。

トレー等に種まきしても良いのですが、発芽が早い(3~4日)ですし、移植を嫌がりますので、ポットに直接まいた方が、手間がかからず良いですよ。
②明るい日陰で、土が乾かないように管理します。
⓷子葉(双葉)が出たら、日なたに移動させます。本葉が出る前に一本を残して間引きます。
子葉(双葉)にくびれがあり、初期生育の良いものが八重咲きで、子葉(双葉)が丸くて、初期生育が遅く、葉の緑が濃いものが一重咲きになります。
④本葉が出始めたら、規定量より薄めた液肥を、一週間に一度程度与えましょう。
植え付け
適期は、11月~3月頃です。
市販の苗は、枝数が多く、どっしりとしていて、葉の色が黄色くなっていないものを選びましょう。
地植えの場合
①弱アルカリ性の土を好みますので、植え付けの2週間くらい前に、植え付ける場所の土に苦土石灰を混ぜて良く耕しておきます。堆肥や腐葉土も一緒に混ぜておきましょう。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を入れて高さを調整します。元肥の緩効性肥料も混ぜておきましょう。

根を触られるのを嫌がるのだっぴー!根鉢は崩さないようにするのだっぴー!

根元近くの枯れた葉や黄色くなっている葉は、取り除いておきましょう。
⓷周りにも土を入れ、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
④たっぷりと水やりします。
*株と株の間は、15cm程度あけるようにしましょう。
*アブラナ科の植物は、連作障害を起こしますので、過去1年間にアブラナ科の植物を育てた場所は避けて、植え付けましょう。
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、ネットに入れた鉢底石を1.5cmくらい敷きます。
②鉢底石の上に、土を入れます。元肥の緩効性肥料を混ぜておきましょう。
土は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土7:腐葉土3で配合した土でも大丈夫です。
⓷ポットから取り出した苗を入れて、高さを調整します。
直根性で、根を触られるのを嫌いますので、根鉢を崩さないようにしましょう。
植木鉢の縁から1.5cm位下に、苗を植えた土の表面が来るように、ウオータースペースをあけておきましょう。

④周りにも、隙間のないように土をいれたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
植え替え
一年草ですので、植え替えの必要はありません。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
肥料
元肥を施した後は、肥料は控えめに育てます。
花が咲いている期間は、2週間に一度程度、薄めた液肥を施しましょう。
病害虫
病害虫には比較的強いです。
立ち枯れ病
急に株が茶色くなり、枯れてしまいます。過湿や、風通しが悪いと出やすくなります。種まきの土は、清潔な新しいものを使うようにします。
ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなど
育苗中につく害虫は、早めに取り除くようにしましょう。被害が広がっている場合は、薬剤をまきます。
コナガの幼虫は、アブラナ科の植物を好みます。葉を食べますので、生育が悪くなってしまいます。ヨトウムシも、葉を食害します。
アブラムシは栄養分を吸い取るだけでなく、ウイルスを媒介します。
その他必要な作業
花がら摘み、葉摘み
咲き終わった花は、こまめに摘み取りましょう。穂状の花が咲き終わったら、花穂の下でカットしておくと、また花芽が上がってきます。
また、葉が混み合って来たら間引くようにしましょう。

風通し良く育てて、病害虫を予防するのだっぴー!

種取り
八重咲きのストックは、種をつけるために必要な雄しべやめしべが、花弁(花びら)に変化して八重咲きになっているため、種を採ることができません。
一重咲きのストックは種を採ることが出来ます。花穂をカットせずにおいておき、茶色く枯れた頃に収穫します。

一重咲きのストックから採取した種をまくと、だいたい半分半分の割合で八重咲と一重咲きになります。
その他
雨の翌日に、花に水がたまっていたらふるって落としておきましょう。
まとめ
ストックは、立ち上げた花穂にたくさんのお花を咲かせてくれます。縦に咲く草姿は、他の草花との相性も良く、花壇がとても華やかになります。また切り花にして室内に飾ると、優しい香りが漂いますのでおすすめです。色も咲き方も豊富ですので、毎年お気に入りのものを見つけて育てるのが楽しいお花です。わりと育てやすいですので、初心者の方でも大丈夫です。ぜひ育ててみて下さいね!
ストックの育て方のポイントは・・・
- 日当たりと水はけの良い戸外で
- 冬は霜よけをして
- 肥料は控えめで


あなたのお庭やベランダに、たくさんのストックの花が咲きます様に。


香りがするのも、楽しみだなっぴー!
コメント