バラの中でも開花が一足早く、かわいいお花を咲かせてくれる、モッコウバラ。
トゲがなく病害虫にも強いですので、育てやすいお花です。
今回の記事では、モッコウバラの挿し木や植え付け、剪定、誘引など、お手入れの仕方についてご紹介します。
モッコウバラはどんな花でしょう?
中国西南部原産のつるバラで、4~5月頃に他のバラより一足早く咲き始めます。枝の先に、花径2~3cm程度の小さめのお花を房状にまとまって、たっぷりと咲かせてくれます。
とても花付きが良く、満開になると枝いっぱいにたくさんのお花を咲かせてくれますので、とても見応えがあります。

お花は、春だけに咲く「一季咲き」です。花色は、白と黄色があります。いずれも一重咲きと八重咲きがあり、黄色の八重咲き以外は、優しく甘い香りがします。
枝にはトゲがなく、また病害虫の被害が少ないですので、とても扱いやすいです。葉は3~7枚の小さめの葉で、よく茂ります。

良く枝が伸びて育ちますので、フェンスやアーチに誘引すると素敵な景色になります。

とても丈夫で、生育が良いですよ!

放っておくと、5m以上もつるを伸ばす事があるのだっぴー!
モッコウバラ |
科名 バラ科 |
特性 常緑つる性花木 |
花期 4~5月 |
草丈 2~10m |
耐寒性 強 耐暑性 強 |
モッコウバラの育て方は?
適した場所
日当たりと風通しの良い場所が適しています。半日陰の場所でも栽培できますが、日向に比べると花数が少なくなります。
土は、水はけと水持ちの良いものが適しています。
夏越し
暑さには強いです。梅雨が明けたら剪定をして、込み合った所を間引き、風通し良くしておきましょう。
冬越し
寒さにも強く、常緑で冬越ししますが、冬の間は葉を少し落とすことがあります。
寒冷な地域などで霜が降りるようであれば、株元をマルチングしておくと良いでしょう。
増やし方
挿し木で増やす事が出来ます。

挿し木すると、割と簡単に増やす事が出来ますよ。

挿し木した苗が大きく育つまでには、少し時間がかかるのだっぴー。気長に育てるのだっぴー。
挿し木
適期は、5~6月頃です。
①ポットに、赤玉土か挿し木用の土などを入れて、水で湿らせておきます。土は新しいものを使いましょう。
②しっかりとした枝を切り取り、枝先を軽くカットします。2~3節ずつに切り分けたら、下の方の節に付いている葉を取り除き、残った葉は蒸散を防ぐために半分くらいの大きさにカットして挿し穂を作ります。
③挿し穂の、葉を取り除いた下の節が土の中に隠れるように、ポットの土に挿します。
④優しい水流で、たっぷりと水やりします。
*発根するまで、土を乾かさない様に明るい日陰で管理します。しっかりと発根したら、鉢に植え替えて育てましょう。
植え付け
適期は、10~11月頃です。
市販の苗を購入する場合には、全体にぐらつきが無く、がっしりとしていて、葉が綺麗なものを選びましょう。
地植えの場合
①植え付ける場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜて良く耕しておきます。根鉢(根と土が固まった部分)の2倍の幅と深さを目安に、土を耕しましょう。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を入れて高さを調整します。元肥の緩効性肥料を混ぜておきましょう。
③周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえておきます。
④優しい水流で、たっぷりと水やりします。
*大きく育ちますので、他の植物との間隔を広く空けておきましょう。
鉢植えの場合
植え付ける苗より、2回り程度大きめの鉢に植えましょう。
①植木鉢の底に、1.5cm位の高さまで鉢底石を敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の所まで土を入れます。元肥の緩効性肥料を混ぜておきましょう。
③土の上に、ポットから取り出した苗を置いて、高さを調整します。
土は、市販のバラ専用の培養土か、草花用培養土でも大丈夫です。
鉢の縁ギリギリの所まで土を入れるのではなく、鉢の縁から1.5cm位下に、苗を植えた時の土の表面が来るように、ウォータースペースをあけておきます。
④周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえておきます。
⑤優しい水流で、たっぷりと水やりします。
*植え付けたら、つるを誘引するための支柱を立てておきましょう。
植え替え
適期は、10~11月頃です。
地植えの場合は、植え替えなくても大丈夫です。
鉢植えの場合は、鉢の中に根が回っていっぱいになったら、一回りか二回り大きな植木鉢に植え替えましょう。

植木鉢から、根鉢(土と根が固まった部分)を一度取り出してみて、根が回っているかどうか確認してみると良いですね。
根詰まりするとすぐに水切れしたりしたり、花が咲きにくくなったりします。数年に一度は植え替える様にしましょう。
水やり
地植えの場合・・・植え付けた後、根付くまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。根付いた後は、特に水やりの必要はありませんが、何日も雨が降らず乾燥が続く場合には、たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと水やりしましょう。
肥料
一般的なバラと違って、それほど多くの肥料を必要としません。肥料を施し過ぎると、病害虫の被害に遭いやすくなったり、花が咲かない原因になったりすることがありますので気を付けましょう。
植え付けの時に、元肥の緩効性肥料を施します。
その後の追肥は、①早春に新芽が動き始める頃と②花が終わった後に、緩効性肥料を株元に施します。
病害虫
病害虫の被害は少ないですが、まれにアブラムシやハダニの被害にあう事があります。
アブラムシ
蕾や新芽に付いて汁を吸います。病気を媒介することもあるため、見つけ次第早めに取り除きましょう。
ハダニ
乾燥すると発生しやすくなります。葉の裏に付いて汁を吸い、葉をカスリ状にしてしまいます。葉の裏側に水をスプレーすると予防する事が出来ます。

我が家では、他のつるバラと同じ場所に植えているからか、一般的なバラの害虫のバラゾウムシが蕾に穴を空ける被害やチュウレンジハバチの幼虫に葉を食べられる被害があります(泣)
必要な作業
剪定
モッコウバラは、翌年の花芽の準備を始めるのが早いですので、一般的なつるバラと剪定時期が異なります。夏には、シュート(新しい枝)がどんどん伸びて暴れ、放っておくと大きな姿に育ってしまいます。
花が終わった後から7月頃までに、飛び出したシュートを、樹形が揃うようにバッサリと刈り込むと、小枝が増えて蕾がたくさん付き、花数が増えます。小枝は残すようにして、植え付けた場所に合わせて大きさを整えましょう。込み合った所の枝等を取り除いておくと、風通しが良くなります。
大きく育てたい場合には、シュートは切らずに残しておきます。

シュートはどんどん飛び出しますので、かなりバサバサと切ってしまっても大丈夫ですよ。わが家でも、ある程度の大きさに育つまでは、シュートを残していましたが、最近はバサバサ切っています。

剪定する時期が遅くなると、翌年に花が咲かなくなる事もあるのだっぴー。特に八重咲きの白花の場合は、気を付けるのだっぴ―!

誘引

つるバラは、自分からフェンスやアーチに絡みついていきませんので、誘引(枝をフェンスやアーチに固定する作業)が必要です。翌年にも、美しく咲いてもらうために行いましょう。
モッコウバラは、夏の間に枝を伸ばして生長しますので、誘引は枝の生長が落ち着く秋~冬の間に行いましょう。
つるバラは、枝の先に花が咲く性質ですので、枝をまっすぐに立ちあげたままにすると、花数が少なくなってしまいます。枝を横に曲げると、枝のそれぞれの芽からたくさんの枝が伸びますので、多くのお花を咲かせてくれます。
ですので、大きな枝を横に曲げて、横か斜め上方向に誘引しましょう。(麻ひもやビニールタイなどで数カ所、フェンス等に結んで枝を固定します。)
誘引をすることで、枝にまんべんなく日が当たり、それぞれの芽から伸びた枝に、春にはたくさんのお花を咲かせてくれます。

放任にしていても、お花は咲くのだっぴー。たくさんのお花を咲かせてもらうためには、誘引することが大切なのだっぴー!
まとめ
モッコウバラは、春の早い時期に、株一面にたくさんのお花を咲かせてくれます。わが家でも、お近所の方からいただいた枝を、挿し木して育てました。時間はかかりましたが、今ではたくさんのお花を毎年見事に咲かせてくれています。モッコウバラが咲くと、バラの季節がやってきた喜びでウキウキします。トゲがなく、とても丈夫で病害虫の被害が少ないですので、バラ初心者の方でも比較的育てやすいです。ぜひ育てて下さいね。おすすめです!
モッコウバラの育て方のポイントは・・・
- 日当たりと風通しの良い場所で
- 伸びたシュートを7月頃までに刈り込んで
- 太い枝を横に曲げて誘引して


あなたのお庭やベランダに、たくさんのモッコウバラのお花が咲きます様に。


枝いっぱいに、たくさんお花が咲くのが楽しみだなっぴー!
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