つるバラの花付きを良くするために、剪定と誘引を行いましょう。
剪定は枝を更新してリフレッシュさせるために、誘引は枝を曲げることで多くのお花を咲かせるために、大切なお手入れです。
今回の記事では、つるバラの剪定と誘引の仕方についてご紹介します。
なぜ、剪定や誘引をするの?
つるバラは、伸びた枝が3~5年を過ぎると、新しい枝(シュート)を出しにくくなります。古い枝を切り(剪定)、新しく伸びた枝と入れ替えることで株が若返り、お花がたくさん咲くようになります。
またつるバラは、自然な状態では、長く伸びた枝がまっすぐに立ち上がったまま、上へ上へと伸びていきます。バラは、枝の上部にだけお花が咲く性質ですので、枝が立ち上がった状態のままでは、枝先の高い所だけでお花が咲くことになります。そうなると花数が少なくなり、鑑賞もしにくくなってしまいます。
枝をできるだけ水平に曲げることで(誘引)、枝の芽の部分がどれも上部になり、そこから春になるとたくさんの芽が吹いてきます。そうすると、お花がたっぷりと美しく咲き、観賞したい位置で楽しめるようになります。

春に美しいお花をたくさん咲かせてもらうために、大切な作業ですよ!


剪定・誘引に適した時期
適期は、12月中旬~1月中旬ごろです。

この時期に長く伸びた枝を曲げると芽が充実して、春にはたくさんのお花を美しく咲かせてくれるのだっぴー!
冬は寒さで成長が止まります(休眠期)ので、剪定と誘引には最適な時期です。1月中旬以降になると、寒さで枝が固くなり、曲げる時に折れやすくなってしまいます。
また、2月中旬を過ぎると芽が動き始めますので、作業中に芽を傷付けてしまいます。ですので、あまり遅い時期になってから、作業しないようにしましょう。
剪定と誘引の準備
(準備物) 麻ひも、ビニールタイ、はさみ、園芸用革手袋など

麻ひもやビニールタイなどは、あらかじめ留めやすい長さにカットしておくと作業が進みやすいですよ。
〇株元は綺麗に掃除しておきましょう。(株元の落ち葉などの中に、病害虫が潜んでいて冬越ししてしまう事があります。)
〇カイガラムシが枝に付いている場合は、歯ブラシでこすり落とすか、薄めたマシン油などを散布しておきます。
〇枝に付いている葉は、全て摘み取っておきましょう。(枝に付いている葉にも、病害虫が潜んでいることがあります。)

バラ用の革手袋をはめて、枝を手で挟んで上から下まで一気に葉を取っても良いのだっぴー。

秋以降には、葉がどんどん落ちて少なくなって行きますが、枝を曲げる作業(誘引)まではできるだけ葉を残しておいて、少しでも光合成ができるようにしておきましょう。
〇前年に留めた誘引のひもを、ほどいておきましょう。(前年の誘引をほどかずに行う場合は、留めたままにしておきます。)
全部ほどいて剪定と誘引をし直した方が、バラが若返り、咲いたときに美しくなります。
剪定の仕方

軸になる枝が4本くらいあると、見ごたえのある花姿になりますよ。
①細すぎる枝や枯れた枝などをカットします。元気がなくて弱そうな枝や、枝先に小枝ばかりが茂っている枝なども、付け根の所で切ります。
②シュート(春~秋の間に新しく伸びた枝)がたくさん出ている場合は、シュートを残して古い枝(良い枝の出ていない古い枝)を切ります。シュートがあまり出ていない場合は、古い枝も残しておきます。

バラは枝の更新が大切なのだっぴー。シュートがたくさん出ていたら、4年以上前の古い枝は、付け根部分で切り取るのだっぴー。古い枝を切ることで、代わりに良い枝が生えやすくなるのだっぴー。
ただし、今年10月以降に伸びたシュートは、寒さで枯れてしまう事があります。生え際から10cm程度残して切っておくほうが無難です。

光合成が足りないので柔らかくて未熟なのだっぴー!枝が少ない場合は、無理に切らなくても良いのだっぴー。
③残す2~3年目の枝は、側枝を1~2芽(5~10cm程度)残してカットしておきましょう。
メインになる枝の先端も、15cm位切り詰めておきます。

つるバラの枝先は充実していませんので、葉だけが茂ってお花は咲きません。ですので枝先を15cm程度カットしましょう。

誘引して留める時に、「枝がちょっと足りない!」ということがあるのだっぴー。誘引が終わった後、最後に枝先をカットしても良いのだっぴー。
誘引の仕方

お花が咲いた時の姿をイメージしながら、作業すると良いのだっぴー!
壁面やフェンス等への誘引
すべての誘引をほどいて行う場合
①前年に留めた誘引を、全部ほどきます。
②太くて長く、若い枝(お花がたくさん咲きます)から順に、咲かせたい場所に曲げて行きます。
枝は出来るだけ水平か、やや斜め上方向になる様に曲げて麻ひもやビニールタイなどで固定します。

枝が折れないように、ゆっくりと曲げましょう。もし、折れてしまった場合には、割りばし等で添え木をして、テープなどでぐるぐる巻いて留めておくと大丈夫ですよ!

枝が伸びている向きと逆の向きに曲げると、折れやすいので気を付けるのだっぴー。
③枝数が足りない場合は、細い枝や短い枝、古い枝も使って空間を埋めましょう。
株元や太い枝にはお花は咲かないですので、細くても元気のある枝を株元や太い枝に重ねて配置すると、お花で覆われます。
枝が余った場合には、無理に重ねず、株元の所でのこぎりなどで切っておきましょう。
④すべての枝先を留めたら完成です。
*メインになる枝先の剪定をまだ行っていない場合は、15cmくらいカットしておきましょう。


枝と枝の間隔は、大輪種や太い枝で手のひら分(10cm程度)、中輪種や中くらいの太さの枝でこぶし分(5cm程度)あけておくと、開花したときに隙間なくお花が付きますよ。

前年の誘引をほどかずに剪定、誘引を行う場合
①メインになる枝(太く元気な枝で、古枝でも大丈夫です)を残し、元気がなくて弱そうな枝や枯れた枝、細い枝、込み合っている部分の枝をカットします。今年伸びたシュートは残しましょう。
②メインになる枝の先を15cm程度カットし、側枝は5~10cm程度残してカットします。
③今年伸びたシュートを誘因します。枝を出来るだけ水平か、やや斜め上方向になる様に曲げて麻ひもやビニールタイなどで留めます。留めたら、枝先を15cm程度カットします。
④最後に、細くて元気が良い枝を、株元や太い枝に重ねて留めておきます。

株元や太い枝にはお花は咲かないのだっぴー。こうすると株全体がお花で覆われるのだっぴー。
⑤収まらない枝は、株元の所でのこぎりなどで切っておきましょう。
アーチやパーゴラなど(横幅の狭いもの)への誘引
①最初に太くて元気の良い枝を、あまり曲げずに上の方に誘引して留めておきます。
枝先をまだカットしていない場合は、15cm程度カットします。
②次に細くて短い枝を、斜め上方向に曲げながら、側面の空間を埋めるように配置して留めます。
③収まらない枝があれば、株元でカットしておきます。

太くて長い枝を曲げながら、横幅が狭いものへと誘引するのは難しいのだっぴー。上の方で咲いてもらうと良いのだっぴー!

*アーチやパーゴラの側面は、交互(ジグザグ)になるように誘引すると、お花がたくさん咲きます。
支柱やオベリスクなどに誘引する場合
支柱に誘引する場合・・・支柱2本を立てて、上部を留めます。良い枝から一本ずつ支柱の左右に斜め上方向にできるだけ曲げて留めます。支柱の外側にはみ出すように、交互(ジグザグ)に枝を誘引すると良いです。支柱に収まらない枝はカットしておきましょう。

オベリスクに誘引する場合・・・太くて長い良い枝を、あまり曲げずにオベリスクを巻くように、上部まで誘引します。中~下段には、細くて短い枝を曲げて留めておきます。収まらない枝はカットしておきましょう。


上から下まで、お花が綺麗に咲くのだっぴー!
まとめ
つるバラの剪定と誘引は、春にたっぷりとお花を咲かせてもらうためにとても大切な作業です。私も毎年、12月末か1月初めに行っています。春にお花が咲いた姿を想像しながら行う作業は、なかなか楽しいものです。寒い時期の作業になりますので、暖かい服装で(それでも手が、かじかみます(涙))、トゲ対策もしっかりと行って、気を付けて作業してくださいね。ごちゃごちゃに伸びていた枝たちもすっきりとしますし、何よりも春にたくさんのお花が咲くのが待ち遠しくなりますよ!
つるバラの剪定と誘引のポイントは・・・
- 12月中旬~1月中旬頃までに
- 古い枝は、適宜剪定して
- 枝は、出来るだけ水平に曲げて


あなたのお庭やベランダに、たくさんのつるバラのお花が咲きますように。


春にたくさんのお花が咲くのが、楽しみだなっぴー!

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