シックな紫色の葉が美しい、ムラサキゴテン(セトクレアセア)。
小さなピンク色の、かわいいお花を咲かせてくれます。
今回の記事では、ムラサキゴテン(セトクレアセア)の植え付けや挿し芽、株分け、お手入れの仕方などについてご紹介します。
ムラサキゴテン(セトクレアセア)は、どんな花でしょう?
紫色の葉が美しい、カラーリーフプランツです。少し厚みのある葉は細長く、全体が毛で覆われていますので、雨水をはじきます。葉の付け根が、茎を包むように付いていますので、エンドウ豆のさやのような形です。葉に淡い赤紫色の縞模様が入る品種もあります。原産地はメキシコで、別名は「パープルハート」です。

花茎の先も、さやのように2つ折りになった葉に包まれていて、その間から花径2cmほどの小さなピンク色のお花を咲かせてくれます。花びらが3枚(3弁花)のシンプルなお花で、昼にはしぼんでしまう一日花ですが、一つずつ、いくつかのお花を咲かせてくれます。葉の深い紫色とピンク色の花とのコントラストが素敵です。

茎は良く枝分かれして伸びますが、生長すると倒れて地面にほふくしますので、グラウンドカバーとしても利用できます。周りを引き締める色合いの葉ですので、他の草花と組み合わせて花壇に植えても、寄せ植えやハンギングバスケットなどに利用しても素敵です。
暑さに強く、丈夫で育てやすいですので初心者の方でも大丈夫です。
耐寒性はあまり強くなく、冬越しには、-1℃以上の気温が必要です。霜に当たると枯れてしまいますが、地中で根が生きていれば、春になるとまた芽吹いて来ます。

我が家でも、20年くらい育てていますよ!我が家は温暖な地域で、ほとんど植えっぱなしですが、毎年元気に芽吹いてくれます。

美しい葉色なので、観葉植物として扱われる事もあるのだっぴー!
ムラサキゴテン(セトクレアセア) |
科名 ツユクサ科 |
特性 多年草 |
花期 7~10月 |
草丈 40~60cm |
耐寒性 普通 耐暑性 強 |
ムラサキゴテン(セトクレアセア)の育て方は?
適した場所
日当たりと水はけの良い場所が適しています。
半日陰でも育ちますが、日当たりが悪いと葉色が褪せてきます。一年を通して、良く日の当たる場所で育てましょう。
夏越し
暑さには強いですので、特別な夏越しの対策は必要ありません。
冬越し
耐寒性はあまり強くありません(気温―1℃以上が必要です)。霜に当たると地上部が枯れて無くなってしまいますが、根が生きていれば春にまた芽吹いてきます。
地植えで育てている場合は、寒冷な地域では植木鉢に植え替えるか又は挿し木した苗を作っておいて、室内の良く日の当たる場所に取り込み、乾燥気味にして育てましょう。温暖な地域では、戸外の軒下など霜の当たらない場所で冬越しできます。

我が家では、雨が多少当たるような軒下で、一年中地植えにしています。冬の間は地上部は無くなりますが、毎年芽吹いて来ますよ!
鉢植えで育てている場合は、温暖な地域では、戸外の霜の当たらない場所に移動させましょう。寒冷な地域では、室内の日当たりの良い場所に取り込みましょう。
増やし方
挿し芽と株分けで増やす事が出来ます。

茎や根がポキポキと折れやすいので、気を付けるのだっぴー!
挿し芽
適期は、4~8月頃です。
①ポットに挿し木用の土か赤玉土を入れて、水で湿らせておきます。
②しっかりとした茎を、先から2~3節ほどの所で切り取ります。茎の先(花の付いていた部分など)を軽くカットしたら、下の節に付いている葉を取り除き、残った葉は半分くらいの大きさにカットして挿し穂を作ります。
③挿し穂の、葉を取り除いた下の節が土の中に隠れるようにポットの土に挿します。
④優しい水流で、たっぷりと水やりします。
*発根するまで、土を乾かさない様に明るい日陰で管理します。十分に根が回ったら、花壇や植木鉢に定植しましょう。
株分け
適期は、4~9月頃です。
①株を掘り上げるか又は植木鉢から取り出して、土を落とします。
②固まった根鉢にハサミなどで切り目を入れたら、手で株を割ります。

あまり細かく分け過ぎると、株の再生に時間がかかってしまいます。元株の大きさにもよりますが、私は2~4株くらいまでに分けていますよ。
③分割したそれぞれの株を植え付けます。
植え付け
適期は、4~9月頃です。
地植えの場合
①植え付ける場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜて良く耕しておきます。さらに水はけを良くするために、軽石小粒や川砂を混ぜても良いです。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を置いて高さを調整します。元肥の緩効性肥料を混ぜておきましょう。
③周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえておきます。
④たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、鉢底石を1.5cm位の高さまで敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の所まで土を入れます。元肥の緩効性肥料を混ぜておきましょう。
土は、水はけの良いものが適しています。市販の草花用培養土に軽石小粒か川砂を1~2割ほど混ぜた土か、又は赤玉土小粒5:腐葉土3:軽石小粒2で配合した土でも大丈夫です。
③ポットから取り出した苗を置いて、高さを調整します。
鉢の縁ギリギリまで土を入れるのではなく、鉢の縁から1.5cm位下に、苗を植えた時の土の表面が来るようにウォータースペースをあけておきましょう。
④周りにも隙間のないように土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえておきます。
⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
植え替え
地植えで育てている場合は、特に植え替えの必要はありません。
鉢植えで育てている場合は、1~2年に一度植え替えましょう。4~9月頃に古い土を落として、1~2回り程度大きな鉢に植え替えます。株分けを兼ねて植え替えても良いです。
水やり
乾燥には強いです。過湿になると根腐れを起こしやすいですので、水のやり過ぎには気を付けましょう。
地植えの場合・・・根付くまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。根付いた後は、特に水やりの必要はありませんが、何日も雨が降らず乾燥が続く場合には、たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
肥料
植え付けの時に、元肥の緩効性肥肥料を施します。
その後の追肥は、春(4~6月頃)と秋(9~10月頃)に緩効性化成肥料を株元に施すか、または薄めた液肥を10日に一度程度施しても良いです。

肥料が多すぎると、徒長(茎が伸び過ぎた状態)してしまうので、気をつけるのだっぴー!
病害虫
うどん粉病
茎や葉に、粉をまぶしたような菌が付きます。湿度が高く、風通しが悪いと発生しやすいです。初期段階であれば、菌の付いた部分を切り取り、薄めた酢をスプレーしましょう。広がってしまった場合は、殺菌剤をまきます。
灰色かび病
湿度が高く、日照が少ない時に発生しやすいです。葉や蕾に褐色の斑点が出て、放っておくと全体が溶ける様に茶色く枯れてしまいます。病気の部分を取り除き、薬剤を散布して被害を食い止めましょう。
カイガラムシ
茎などに寄生して汁を吸い、弱らせてしまいます。白っぽい殻のようなものを見つけたら、歯ブラシでこすり落としましょう。
ハダニ
葉の裏側に寄生して汁を吸い、葉をカスリ状にしてしまいます。葉の裏側に水をかけると予防することが出来ます。
必要な作業
摘芯(茎の先端を摘む)
花が咲いた後には茎が長く伸びて来ます。摘心を繰り返し行うと、脇芽が伸びて草丈も低めにおさえる事が出来ます。
切り戻し
茎が伸び過ぎて草姿が乱れた場合には、株元から1~2節残した位置でカットしておきましょう。草姿が整い、脇芽が伸びてボリュームのある株に育ちます。
まとめ
ムラサキゴテン(セトクレアセア)は、とてもシックで落ち着いた色合いの葉が素敵な植物です。他の草花との相性が良く、控えめな可愛いお花を咲かせてくれます。わが家でも、何年も地植えで育てています。肥料を施すと、思い出したように可愛いピンクのお花を咲かせてくれますよ。伸びすぎると倒れて来ますので、時々低めの位置で切り戻しをしています。ほとんど手間がかからず、初心者の方でも育てやすいです。ぜひ育ててみて下さいね!
ムラサキゴテン(セトクレアセア)の育て方のポイントは・・・
- 日当たりと水はけの良い場所で
- 冬の寒さには気を付けて
- 適宜、切り戻しや摘心をして


あなたのお庭やベランダに、たくさんのムラサキゴテン(セトクレアセア)が育ちます様に。


ピンク色のかわいいお花が咲くのが、楽しみだなっぴー!
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