毎年、新しい品種が園芸店の店頭に並ぶシクラメン。
種類も色も豊富で、毎年冬になると選ぶのが楽しみなお花ですね。
今回の記事では、シクラメンの管理の仕方、水やりや夏越しの方法などについてご紹介します。
シクラメンは、どんなお花でしょう?
原産地は、北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域の球根植物です。
とても多くの品種があり、毎年新しい品種が作出されています。花色や咲き方もさまざまですので「今シーズンは、どのシクラメンにしようか?」と選ぶのが楽しみになるお花です。

花色は、赤やピンク、白、紫、複色などがあり、咲き方も一重咲きや八重咲き、フリルのものやベル型のものなどさまざまです。
品種にもよりますが、開花期間が10月~5月頃までと長く、お花の持ちが良いですので、冬のお花が少ない時期に、華やかな彩りをもたらしてくれます。
豪華な大鉢のものから、コンパクトなポットに入ったものまで大きさもさまざまに出回ります。おひとり様で育てても素敵ですし、他の草花と寄せ植え風に、鉢寄せにして楽しむ事も出来ます。

上手に管理すると、数年間はお花を咲かせることが出来ます。夏の暑さが苦手ですので、夏越しに気を付けると、長く楽しむ事が出来ます。

わが家でも、夏越し出来る時もあれば、残念ながら越せない時もあります。少し難しいかもしれませんが、チャレンジしてみて下さいね!

次の年も咲いてくれると、嬉しいのだっぴ―!
シクラメン |
科名 サクラソウ科 |
特性 球根植物、多年草 |
花期 10~5月 |
草丈 10~40cm |
耐寒性 弱 耐暑性 弱 |
*ガーデンシクラメンは、耐寒性があります(-5℃くらい)ので、戸外で育てる事ができます。ガーデンシクラメンの育て方は、下の記事を参考にして下さい。

シクラメンの苗の選び方は?
シクラメンは、葉の数だけ花が咲きますので、葉が多くこんもりと茂っている株を選びます。また葉の色が濃く、大きさがそろっているものが良いです。

12月頃に出回るシクラメンは、株元に次に咲く花芽が出ていますよ!

葉を持ち上げてみて、花芽を確認してから購入するのだっぴー!
シクラメンの植木鉢には、普通鉢、底面給水鉢、ポット苗などがあります。

初心者の方は、底面給水鉢で育てる方が、水やりの管理が容易ですのでおすすめです!
シクラメンの育て方は?
適した場所
冬は室内の、よく日が当たる窓辺などが適しています。暖房の温風があたらない場所が良いでしょう。冬でも、暖かい日中の時間帯は、2~3時間程度外の光に当てるようにすると、株が引き締まります。
3月中旬頃に、気温が10℃以上になったら戸外で育てます。雨がかからず、日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。最低気温が10℃を下回る日や夜間などには、また室内に取り込みます。
春に花が終わったら、軒下や木陰など、涼しく風通しの良い戸外で管理しましょう。
夏越しが出来た場合は、9月下旬頃に、最低気温が10℃以下になったら室内に取り込みます。
夏越し
高温多湿に弱いですので、夏の暑さには気を付けて管理します。
夏越しには2つの方法があります。
休眠法・・・葉を枯らせて球根だけの状態で夏越しさせる方法です。葉が落ちて球根だけになったら、鉢を戸外の雨のかからない、風通しの良い日陰に移動させます。水と肥料を与えず、乾いた状態を保ちます。秋になって、水やりを再開すると芽が出て来ます。
球根を掘り上げて、冷暗所に保管しておくことも出来ます。

休眠法では、花が咲くのが、少し遅くなることがあるのだっぴー
非休眠法・・・葉を残して、生育させながら夏越しさせる方法です。植木鉢を、戸外の雨のかからない、風通しの良い日陰に移動させて、土が乾いたら水やりをしながら育てましょう。
増やし方
種まきで増やすことが出来ます。

球根は分球しないのだっぴー
好みの株を2株用意して、人工授粉を行うと種を採ることが出来ます。
花が咲き終わったら、種を作りますので収穫します。
12~3月に採った種は、すぐにトレーやポットに種まきします。4月以降に採った種は、種まきの時期(秋:9~10月頃)まで、冷暗所で保管しておきます。
植え替え
開花中は、植え替えしない方が良いでしょう。購入した時の鉢のまま育てます。
ただし、鉢が小さめで乾きやすく、水やりが大変な場合には、すぐに一回り大きな鉢に植え替えてもよいでしょう。この時には、根鉢を崩さないようにしましょう。

植え替えで、根が傷つくことがあるのだっぴー
植え替えの方法
夏越しが出来たら、新しい土に植え替えましょう。秋(9月下旬頃)に一回り大きな鉢に植え替えます。
休眠法で育てた場合・・・土を全て落とし、根を半分くらいに切って新しい土に植え替えます。
非休眠法で育てた場合・・・根鉢を崩さず、土を軽く落として新しい土に植え替えます。
①苗より、一回り程度大きな植木鉢を用意します。ネットに入れた鉢底石を1cm位敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の3分の1位の高さまで土を入れます。元肥の緩効性肥料を少量施しておきましょう。

球根に栄養が蓄えられているので、元肥は少なめで大丈夫です。
土は、市販の草花用培養土か、赤玉土4:腐葉土4:日向土3の割合で配合した土が良いです。
⓷ポットから苗を丁寧に取り出し、球根の3分の1~半分くらいが土の表面から出るように高さを調整します。

球根の頂部が、鉢の縁と同じ高さになるくらい、ちょっと球根が土から飛び出ているくらいに浅く植える方が、風通しも良くなってちょうど良いですよ。
④周りにも土を入れて、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤球根の周りの土にたっぷりと水やりします。

どちらの場合も、球根が土の中に全部埋まらないように、球根の3分の1~半分くらいが土の表面から出るように浅植えにしましょう。
水やり
底面給水鉢の場合・・・夏に休眠させる場合を除いて、受け皿に水が入っている状態を保ちます。
普通鉢の場合・・・土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。水のやり方は、葉を持ち上げて、球根の頂部に水がかからないように、球根の周囲の土に与えます。

球根や花、葉に水がかかると、株が蒸れて傷む原因になってしまうのだっぴー
肥料
株を購入したら、リン酸分の多い緩効性肥料を置き肥します。
花が咲いている期間(9~5月上旬まで)は、2週間に一度程度、薄めた液肥を水やりの代わりに施しましょう。
夏の間は、非休眠株には2週間に一度程度、規定量よりさらに薄めた液肥を施します。休眠株には施しません。
病害虫
灰色かび病
気温が20℃前後で湿度が高く、日照が少ない時に発生しやすいです。花びらや蕾などに褐色のシミが出て、放っておくと株全体が茶色くなり枯れてしまいます。株と株の間隔をあけて風通しを良くして、予防します。発症した部分は早めに取り除き、薬剤を散布します。ひどい場合は、残念ですが株ごと抜き取って処分します。
軟腐病
高温多湿の環境で発生することがあります。球根が腐って、悪臭を放ちます。水やりの時に球根の頂部に水をかけないように注意し、風通しを良くして予防しましょう。
シクラメンホコリダニ
高温乾燥時につきやすく、葉や蕾が委縮したり、花が奇形になったりします。時々、葉の裏に霧吹きで水をかけると予防できます。枯れた葉や花は早めに取り除き、ひどい場合は、薬剤を散布します。
スリップス(アザミウマ)
梅雨明けから初秋にかけて多く発生します。植物の汁を吸い、変形させたり、ウイルスを媒介したりします。薄めた木酢液をスプレーすると予防できます。ひどい場合は薬剤を散布します。
必要な作業
花がら摘み
咲き終わった花がらは、茎を残さないように取り除きます。茎をねじりながら引っぱると、球根についている場所から上手く引き抜くことができます。

花がらと蕾の違いは、これから咲く花びらが小さく付いているものが蕾、付いていないものが花がらなのだっぴー
枯れ葉取り
枯れた葉を、ねじって抜くと、対になっている花芽も一緒に取れてしまう事があります。葉は、やさしく抜き取るようにしましょう。
葉組み・・・球根の頂部(てっぺん)にある芽に、陽が当たるようにする作業です。
株の真ん中あたりにある葉を、外側の方の葉の下へと移動させます。葉の柄の部分が交差しないように気を付けます。植え付け後や開花中に行いましょう。

葉組みをすると小さな蕾にも、日が当たり、お花が咲いてくれますよ!
株の真ん中あたりの風通しも良くなります。
まとめ
シクラメンは、冬の室内を素敵に彩ってくれるお花です。種類も豊富で、年々新しい品種のお花が増えていきますので、毎年、お気に入りを見つけて育てるのが楽しみになります。花が咲く期間も長く、花持ちも良いですので、お花で満たされた冬の室内を楽しむ事ができます。小さめのものを、他の室内で育てる植物と組み合わせて寄せ鉢にしてみても良いですね。夏越しが少し難しいのですが、挑戦してみてくださいね!
シクラメンの育て方のポイントは・・・
- 冬には、日当たりの良い窓辺で、時々戸外で日に当てて
- 水やりは、球根の頂部(てっぺん)に水がかからないように、葉を持ち上げて株元に
- 花がら取りや、葉組みを行って


あなたのお庭やベランダに、かわいいガーデンシクラメンの花が咲きます様に。


たくさん咲いてくれるのが、楽しみだなっぴー!
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