葉や茎が、白っぽい毛で覆われているリクニス コロナリア。
伸びた茎が枝分かれして、たくさんのお花を咲かせてくれます。
今回の記事では、リクニス コロナリアの植え付けや増やし方、お手入れの仕方などについてご紹介します。
リクニス コロナリアは、どんな花でしょう?
別名「フランネルソウ」と呼ばれるように、ふんわりとした毛で覆われた厚みのある白っぽい葉が特徴です。葉は常緑ですので、冬にもカラーリーフとして楽しむ事が出来ます。
原産地はヨーロッパ南東部で、日本へは江戸末期に入ってきました。和名は「スイセンノウ」です。

葉の間からスッと茎を立ち上げて、スプレー状に枝分かれし、初夏にたくさんのお花を次々と咲かせてくれます。花径は3~4cm程度で、咲き方は一重咲きのほか、八重咲きの品種もあります。
花色は、濃いピンク色のものが一般的ですが、他にも白や薄ピンク、複色などがあります。
環境が合えば、こぼれ種でも自然に増えるほど、丈夫な植物です。種はたくさん採種できて、種まきからの栽培も容易です。
暑さにも寒さにも強く、痩せた土地でもよく育ち、乾燥にも耐えるのですが、多湿や蒸れに弱く、梅雨や長雨の時期に枯れてしまうことがあります。短命な多年草や二年草として扱われます。

草丈は割と高くなりますので、花壇では中後方に植え付けると良いでしょう。他の植物との相性も良く、花壇のアクセントにもなり、まとめて植えても、単体で植えても華やかな印象になります。

乾燥にも耐えて、暑さ寒さに強いのは育てやすいですね!

初心者の方でも、大丈夫だっぴー!
リクニス コロナリア |
科名 ナデシコ科 |
特性 多年草(二年草扱い) |
花期 5~7月 |
草丈 60~100cm |
耐寒性 強 耐暑性 強 |
リクニス コロナリアの育て方は?
適した場所
日当たりと風通し、水はけの良い場所が適しています。
土質はあまり選びません。乾燥しやすい場所でもよく育ちます。
夏越し
湿気の多い環境には弱いです。
地植えの場合・・・軽石などを混ぜて、水はけを良くして植え付けましょう。まわりより少し高くなるように、盛土にして植え付けるのも良いです。
鉢植えの場合・・・梅雨や長雨の時期には、雨の当たらない軒下などに移動させるほうが無難です。
冬越し
耐寒性は強いですので、特に心配はありません。

増やし方
種まきや株分け、挿し芽で増やす事が出来ます。
種まき
適期は、春(4~5月頃)か秋(9~11月頃)です。

こぼれ種でも育つぐらいなのだっぴー!種まきも簡単だっぴー!
トレーやポットにまく他、直まきも出来ます。
①底に穴のあいたトレー等に、種まき用の土を入れて水で湿らせておきます。ポットにまく場合は、草花用の培養土を入れて、水で湿らせておきます。どちらの場合も、新しい土を使いましょう。
直まきにする場合は、種をまく場所の土に、堆肥や腐葉土、軽石などを混ぜて、良く耕しておきます。

私は、毎年トレーに種まきしています。育ってきたら、小苗のうちにスコップですくって、そのまま花壇に移植しています。ポットに植え替える手間を省いていますよ!
②種がまばらに散らばるように、土の上に種をまきます。ポットにまく場合は、1つのポットに3~4粒程度まきましょう。覆土(土をかぶせる)はせずに、手のひらで土の表面を軽く押さえます。

発芽率が良いのだっぴ―!
⓷種が流れないように、やさしい水流で水やりします。
*発芽まで土が乾かないように、明るい日陰で管理します。
*発芽したら、日の当たる場所に移動させましょう。
*トレーにまいた場合は、本葉3~4枚でポットか花壇に移植しましょう。

種をまく時期が遅くなると、開花が翌々年になる事がありますよ!秋まきする時には、早めに種まきをして、冬までに株を大きく育てておきましょう。

リクニス コロナリアは、寒さに当たる事で花芽を付ける性質なのだっぴー。
株分け
八重咲きで種を作らない品種(ガーデナーズ ワールド)や、気に入った花色の株を増やしたい場合には株分けで増やしましょう。
適期は、秋(9~10月頃)です。寒冷な地域では、春(3~4月頃)でも大丈夫です。
①株を地面から掘り上げるか、または植木鉢から取り出し、根鉢(土と根の固まった部分)を崩し、土を落とします。
②芽を確認したら、一株に3~4芽付くように固まった根鉢をハサミでカットします。

あまり細かく分けると、株の再生に時間がかかってしまいます。3~4芽づつに分けるのが一般的ですよ。
⓷芽を折らないように気を付けながら、手で株を割ります。
④それぞれを植え付けます。
挿し芽
適期は、秋(9~10月頃)です。
①ポットに赤玉土又は挿し木用の土を入れて、水で湿らせておきます。
②節から芽が出ている茎を選んで切り取り、2~3節ずつに分けます。
⓷下の節に付いている葉を取り除きます。残った葉は、蒸散を抑えるために半分の大きさにカットして挿し穂を作ります。
④下の節が土の中に隠れるように挿し、優しく水やりします。
*発根するまでは、半日陰で土を乾かさないように管理します。
*地際の芽をかき取って、挿し芽にすることも出来ます。
植え付け
適期は、秋(10月頃)です。春(3~4月頃)でも大丈夫です。
春に出回る開花苗は、購入後すぐに植え付けましょう。
地植えの場合
①植える場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜて良く耕しておきます。水はけを良くするために、軽石小粒なども混ぜておきましょう。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を入れて高さを調整します。根鉢は軽くほぐします。元肥の緩効性肥料も施しておきましょう。
④周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤たっぷりと水やりします。
*湿気が多い場所に植え付ける場合は、地面よりも少し高くなるように盛土をして植え付けるか、レイズドベッドなどに植え付けると良いです。
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、鉢底石を1.5cmくらいの高さに敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の高さまで、土を入れます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
土は市販の草花用培養土か、赤玉土7:腐葉土3で配合した土で大丈夫です。

私は、水はけを良くするために、軽石小粒を1割くらい混ぜていますよ。
⓷ポットから取り出した苗を入れて、高さを調整します。根鉢は軽くほぐします。
鉢の縁から1.5cm位下に、苗を植えた土の表面が来るように、ウォータースペースをあけておきましょう。
④周りにも隙間のないように土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
植え替え
適期は、秋(9~10月頃)です。
地植えの場合・・・植え替えの必要は、特にありません。
鉢植えの場合・・・根詰まりをおこすと花数が少なくなってしまいます。夏越しが出来た株は、秋に涼しくなったら一回り大きな鉢へ植え替えて、株をリフレッシュさせてあげましょう。

古株になると、枯れやすくなってしまいます。種まきや挿し芽などで、毎年株を更新するようにしましょう。
水やり
乾燥には強く、多湿に弱いですので、水のやりすぎには気を付けましょう。
地植えの場合・・・ほとんど水やりの必要はありません。何日も雨が降らず、乾燥が続く場合には、たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。蒸れには弱いですので、水のやりすぎに気を付けましょう。
肥料
植え付けの時に、元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
地植えの場合・・・その後の肥料はほとんど必要ありませんが、秋(10~11月頃)に緩効性肥料を少し施して、冬までに株を大きくしておくと、春の開花の時に花数が増えます。
鉢植えの場合・・・肥料が切れてしまうと、花数が少なくなってしまいます。秋(10~11月頃)と春(3~4月頃)に、肥料を施しましょう。置き肥をするか、薄めた液肥を10日に一度程度施しましょう。
病害虫
病害虫の被害は、ほとんどみられません。

わが家では、何者(何虫?)かに、葉をかじられている事が時々あります(涙)。
それ以外は、特に病害虫の被害はないですよ!
必要な作業
植えっぱなしの放任でも大丈夫なくらい、手間のかからないお花です。
花がら(終わった花)摘み
花が終わったら、花がらを切っておきましょう。風通しがよくなり、株も長持ちします。
種を取る場合は、いくつかだけ花がらを残して、そのままにしておきます。茶色く枯れたら収穫し、種まきの時期まで冷暗所で保管しておきます。
切り戻し
花が終わったら、株元から15cm位を残して茎をカットしておくと、風通しが良くなります。冬に枯れてきたら、茎を株元で切り取りましょう。
その他
枯れた葉などは、こまめに取り除きましょう。蒸れを防ぐ事が出来ます。
まとめ
リクニス コロナリアは、毎年春にたくさんのお花を咲かせてくれます。私は、ポピュラーな濃いピンク色のお花を育てているのですが、葉や茎の質感が面白く、白っぽい茎と花色とのコントラストが美しいので、お気に入りです。花壇の他の植物とも相性が良いですので、組み合わせて楽しむ事もできますし、群生させても素敵になります。わが家ではこぼれ種から、毎年お花を咲かせてくれています。寒さにも暑さにも病害虫にも強く、育てやすいですので初心者の方でも大丈夫です。ぜひ育ててみて下さいね。おすすめです!
リクニス コロナリアの育て方のポイントは・・・
- 日当たりと水はけの良い場所で
- 多湿と蒸れに気を付けて
- 種まきや挿し木芽などで、株を更新して


あなたのお庭やベランダに、たくさんのリクニス コロナリアの花が咲きます様に。


お花も、白っぽい葉もたのしめるのだっぴ―!!
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