うつむきかげんの、奥ゆかしい花を咲かせてくれるオダマキ。
最近では、園芸品種が沢山作られている人気のお花です。
今回の記事では、オダマキの種まきや植え付け、お手入れの仕方などについてご紹介します。
オダマキはどんな花でしょう?
北半球の温帯に分布する多年草です。葉の間から、茎をスッと伸ばして花を咲かせてくれます。

ガクの部分が、5枚の萼片(がくへん)に分れていて、その内側に花びらが筒状に開き、うつむいて花を咲かせてくれます。ガクの後ろから長い距(きょ:花の付け根から伸びる袋状の部分)が飛び出ている姿は、独特でユニークです。
花色は、ピンク、赤、紫、白、複色などがあります。咲き方も一重咲きから八重咲きまでさまざまです。
オダマキは大きく分けて、ミヤマオダマキのグループとセイヨウオダマキのグループに分けられます。
ミヤマオダマキのグループは、日本にも自生していて、山野草として親しまれています。
花色は青紫色で、花弁の先は白色です。草丈は20cm程度と低めです。日本の高山帯に分布しているので、暑さには少し弱いです。山野草として植木鉢で育てるか、又はロックガーデンに植えるのに向いています。
セイヨウオダマキのグループは、ヨーロッパなどが原産で、原種は紫色の花ですが、園芸品種がたくさん作出されています。
花色はピンク、赤、黄、紫、白、覆輪などさまざまです。草丈は70~90cm程度になります。ミヤマオダマキに比べると、暑さには強く丈夫で育てやすいです。

オダマキ |
科名 キンポウゲ科 |
特性 短命な多年草 |
花期 5~8月 |
草丈 20~80cm |
耐寒性 強 耐暑性 弱 |
オダマキの育て方は?
適した場所
明るい半日陰で、風通しの良い場所が適しています。
落葉樹の下など、夏に強い日差しを避けられる場所に植えると良いです。
夏越し
夏は、暑さで弱ってしまう事がありますので、強い日差しの当たる場所に地植えにするのは避けましょう。鉢植えの場合は、涼しい日陰の場所に移動させます。
夏場に乾燥し過ぎると、生育が衰えますので気を付けましょう。
冬越し
晩秋には地上部が枯れて、根の状態で冬越しします。
寒さの厳しい地域で、土が凍ってしまう場合には、腐葉土や敷き藁などでマルチングしておく方が無難です。
増やし方
種まきと株分けで増やすことが出来ます。
種まき
適期は、取りまき(種を採ってすぐに蒔く)の場合は、4~6月頃です。
9~10月頃でも大丈夫ですが、種を一晩給水させてからまくと良いでしょう。
①底に穴があいたトレーなどに、種まき用の土を入れて水で湿らせておきます。
②土の上に、種がまばらに散らばるようにまきます。覆土(土をかぶせる)はしません。
*実が黄色くなって、裂ける前の未熟なうちに種を採って、すぐにまく(取りまき)と発芽しやすいです。
⓷表面を手のひらで軽く押さえたら、種が流れないように優しい水流で水やりします。
*発芽するまでは、土が乾かないように気を付けて、明るい日陰で管理します。
*本葉が2~3枚出てきたら、ポットに植え替えましょう。

ある程度大きくなった苗が、冬の低温に合うと花が咲くのだっぴ。

秋以降に種まきした場合は、翌々年の初夏に花が咲きますよ。

株分け
適期は、3月頃(芽が動く前)です。

ミヤマオダマキのグループは大株になりにくいのですが、セイヨウオダマキのグループは2年目には大株になりますので、株分けができますよ。
①植木鉢から取り出した苗、または地面から掘り起こした苗の、土を軽く落とします。
②芽を確認したら、それぞれに3~4芽つくように、ハサミなどで根鉢(土と根が固まった部分)を切ります。

小さく分け過ぎると、株の再生に時間がかかってしまうのだっぴー。
⓷芽を傷つけないように気を付けながら、手で割って分けます。
④それぞれ植え付けます。
*寿命が短い多年草ですので、3~4年育てていると株が老化して、元気がなくなってきます。種まきで更新するようにしましょう。
植え付け
適期は、春(3月頃)か秋(10月頃)です。
地植えの場合
①植え付ける場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜておきます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。

水はけを良くするために、軽石小粒やパーライトを混ぜてもいいですね。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を置いて高さを調整します。
⓷周りにも土を入れたら、土の表面を軽く押さえます。
④たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、鉢底石を1cm位の高さになるように敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位になるように土を入れます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
土は、山野草の土を使うか、赤玉土7:腐葉土3に配合した土でも大丈夫です。

私は、鉢植えの場合にも、配合した土に軽石小粒を1割くらい混ぜて使っています。
⓷ポットから取り出した苗を置いて、高さを調整します。
鉢の縁から1.5cm位下に、植えた土の表面が来るように、ウォータースペースをあけておきます。
④周りにも隙間のないように土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
植え替え
適期は、春(3月頃)か秋(10月頃)です。
地植えの場合・・・植え替えは不要です。
鉢植えの場合・・・毎年植え替える方が良いです。細い根は切り取りますが、太い根は傷つけないようにして、植え替えましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
肥料
植え付けの時に、緩効性肥料を施しておきましょう。
その後は、追肥として、花が咲いている期間に、規定量に薄めた液肥を10日に一度程度施します。
病害虫
ハダニ
乾燥すると発生しやすいです。地植えの場合は、敷きわらなどでマルチングするなど、乾燥させないように気を付けましょう。葉の裏に、水をかけると予防できます。
ナメクジ
まだ小さい苗の間に、被害にあいやすいですので、気を付けましょう。
必要な作業
花がら摘み
花が終わったら、花がらを摘むようにしましょう。
種を採る場合は、花がらは摘まずそのままにしておきます。
まとめ
オダマキは、とてもユニークな姿で咲いてくれます。個性的ですが雰囲気があり、和洋どちらの庭にも似合います。種まきでも発芽がよく、割と容易に育てられますので、ぜひ挑戦して頂きたいです。見た目は少し繊細に見えるのですが、丈夫で育てやすいですのでおすすめです。ぜひ、育ててみて下さいね!
オダマキの育て方のポイントは・・・
- 夏の強い日差しを避けられる場所で
- 夏の乾燥に気を付けて
- 数年ごとに、種まきで株を更新して


あなたのお庭やベランダに、オダマキの花が咲きますように。


可愛く咲くのが楽しみだなっぴー!
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