クリスマスローズの育て方/植え付けや植え替え、株分けの仕方など

多年草、宿根草

お庭に花が少なくなる冬の間から春にかけて、可憐なお花を咲かせてくれるクリスマスローズ。

他の草花に先駆けてお花を咲かせてくれて、開花期間も長く、1か月間以上鑑賞できますので、冬枯れの庭を素敵に彩ってくれます。

今回の記事では、クリスマスローズの植え付けや植え替え、株分けの仕方などについてご紹介します。

クリスマスローズはどんな花でしょう?

バルカン半島を中心とした地中海沿岸からヨーロッパに、原種が多く分布しています。

とても人気のある多年草で、品種改良がさかんに行われ、たくさんの品種が作出されています。

種で増やされている株は、1株ごとに違った花を咲かせますので、好みの花を探す楽しみがあります。

八重咲の「ダブルエレン」です。素敵な花ですよ!

花色は、白、黄、ピンク、赤紫、赤、黒、複色などがあり、花の大きさは1cmくらいの小さなものから6cm位のものまでさまざまです。咲き方も、一重咲きや八重咲、セミダブル咲きなどがあります。

花びらに見える部分は実は萼片で、花びらは退化していて目立ちません。

咲き始めた萼片(花びらに見える部分)は、品種本来の色合いなのですが、咲き進むと緑がかってきたり、赤色がかってきたりと変化します。

右の手前の花は、緑色に変化しています。

葉は掌状(てのひらの形)で、縁にはギザギザの細かい切れ込みが入っているものが多いです。白っぽい色合いの葉がおしゃれな品種もあります。ほとんどは常緑の葉を持ちますが、野生種では夏に葉が枯れて、休眠するものもあります。

鉢植えでも庭植えでもどちらにも向いています。また洋風の庭でも和風の庭でも似合います。

ほとんどの品種は、丈夫で育てやすく、初心者でも安心して育てる事が出来ます。

葉の付いた太い茎が株元から伸びて花が咲く有茎種(茎に葉が付いている)と花柄、葉柄がそれぞれ別に根茎から伸びる無茎種(葉と花が別々)とに大きく分けられます。またどちらの種類にも分けられない「中間種」もあります。

有茎種のクリスマスローズです。葉が白っぽい品種です。
  クリスマスローズ
科名   キンポウゲ科
特性   多年草
花期   1~4月
草丈    20~100cm
耐寒性   強
耐暑性   普通

クリスマスローズの育て方は?

適した場所

地植えの場合・・・水はけの良い、明るい日陰が適しています。秋から春までは、陽がよく当たる落葉樹の下などが良いです。

鉢植えの場合・・・秋から春までは、日当たりの良い場所に置き、5~9月までは、明るい日陰に移動させて、乾燥気味に育てると良いです。過湿を防ぐために梅雨時や秋の長雨には当てない様に、軒下などに移動させましょう。

夏越し

高温多湿の環境は苦手です。常緑の品種も、夏の高温期には、半休眠状態になります。

冬越し

5~6号の開花鉢を購入してすぐは、育てられた環境と戸外との温度差が大きくなります。寒冷な地域では、戸外の雪が当たらない場所で管理した方がよいでしょう。

増やし方

種まきと株分けで増やすことができます。

種まき

5月~6月頃に、熟した種を採取して、すぐにまく方法(取りまき)と、秋まで保存して10月にまく方法があります。

①トレー等に種まき用の土を入れます。または、ポットに草花用の培養土を入れます。どちらの場合も、土を水で湿らせておきます。

②トレーの場合は種を土の上にまんべんなくバラまきにします。ポットの場合は、土の表面に指で穴を開け、2~3粒ずつ穴に種をまきます。

⓷種が隠れる程度に土をかぶせ(覆土)、土の表面を手のひらで軽く押さえます。

④優しい水流で水やりします。

*発芽するまでは、土を乾かさないように管理します。

*トレーにまいた場合は、本葉が出てきたらポットに植え替えましょう。ポットにまいた場合は、適宜間引きながら育てましょう。

株分け

適期は10月~12月頃です。

①株を掘り上げるか、または植木鉢から取り出し、土を落とします。

②芽を確認し、それぞれに3~4芽つくように、ハサミで根株を切ります。

ふみぽん
ふみぽん

あまり細かく分けると、株の再生に時間がかかってしまいます。3~4芽づつに分けるのが良いです。

⓷芽を折らないように気を付けながら、株を手で割って分けます。

④分けた株を、それぞれ植え付けます。

植え付け

適期は10月~12月頃です。12月以降~翌年3月頃の間でも、植え付ける事ができます。

ポット苗などの小さな苗を購入した場合には、開花するまでに数年かかることがあります。その年に花を楽しみたい場合には、開花株を購入しましょう。

ふみぽん
ふみぽん

ポット苗は、購入してすぐに地植えにすると、育たずに枯れてしまう事があります。

私も昔、地植えにしてしまい、気が付いたら無くなっていた事があり、とても悲しかったです(涙)。

そんな残念な事にならないように、小さなポット苗は1~2年間は鉢植えで育てて、少し大きく育ってから地植えにするようにして下さいね。

地植えの場合

①植え場所の土を、直径30cm、深さ30cm程度よく耕します。堆肥や腐葉土などを多めに混ぜて一緒に耕しておきましょう。元肥の緩効性肥料も施しておきます。

②植え穴を掘り、植木鉢から取り出した苗を置いて高さを調整します。

秋に植え付ける場合・・・根をよくほぐして古い土を落とし、傷んだ根があれば取り除いてから植え付けます。

冬から春に植え付ける場合・・・根を傷めると生育が悪くなることがありますので、根を軽くほぐす程度にします。

⓷周りにも土を入れて、植え付けたら土の表面を手のひらで軽く押さえます。

④たっぷりと水やりしましょう。

*根付くまでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。

*いくつかの株を植える場合は、株と株の間を50cm程度あけておきましょう。

鉢植えの場合

①植木鉢の底に、鉢底石を1cmくらい敷きます。

ふみぽん
ふみぽん

鉢底石は、ネットに入れずに直接、植木鉢に入れた方が良いですよ。キンポウゲ科の植物は根の張りが良くて、根がネットを突き破って入り込んでしまいます。なかなか剥がれなくて、とても苦労した経験があります(笑)

②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の高さになるように土を入れます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。

土は、水はけと水持ちの良い用土(例:赤玉土5:腐葉土3:軽石小粒2の配合土など)が適しています。市販のクリスマスローズ用の培養土を利用すると手軽です。

⓷ポットや植木鉢等から取り出した苗を置いて、高さを調整します。

ふみぽん
ふみぽん

鉢の縁ギリギリまで土を入れるのではなく、植えた土の表面が鉢の縁から1.5cmくらい下になるように、ウォータースペースを空けておきましょう。

秋に植え付ける場合・・・根をよくほぐして古い土を落とし、傷んだ根があれば取り除いてから植え付けます。

冬から春に植え付ける場合・・・根を傷めると生育が悪くなることがありますので、根を軽くほぐす程度にします。

④周りにも土を入れて、土の表面を手のひらで軽く押さえます。

⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。

植え付けてすぐの小さな苗です。

植え替え

適期は10月~12月頃です。12月以降~3月頃に植え替えても大丈夫です。

地植えの場合・・・特に植え替えの必要はありません。

鉢植えの場合・・・生育が旺盛で、根詰まりしやすいですので、1~2年で植え替えましょう。2回り程度、大きな植木鉢に植え替えます。

開花鉢を購入した場合にも、出来るだけ早く、2回り程度大きな植木鉢に植え替えましょう。

秋に植え替えを行う場合・・・根鉢(根と土が固まった部分)をよくほぐして、古い土を落とし、傷んだ根があれば取り除いてから植え替えましょう。

冬から春に植え替えを行う場合・・・成長期ですので、根鉢を少しほぐす程度にしましょう。

水やり

地植えの場合・・・根付いた後は、特に水やりは必要ありません。何日も雨が降らず、乾燥が続く場合には、たっぷりと水やりします。

鉢植えの場合・・・10月~5月頃までは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水やりします。6~9月までは、水やりは控えめで、やや乾燥気味にします。

肥料

地植えの場合・・・10月に緩効性肥料を施します。花が咲き終わったら、お礼肥を施します。

鉢植えの場合・・・10月と12月に緩効性肥料を施し、10月~4月まで液体肥料を月2~3回施しましょう。花が咲き終わったらお礼肥を施しましょう。

ちーちゃん
ちーちゃん

5~9月頃は休眠状態なのだっぴー。肥料は切るのだっぴー。

病害虫

灰色かび病・・・20℃前後の気温で、湿気が多く、日照が少ない時にかかりやすいです。蕾や葉に、褐色の斑点が出て、病気が進行すると株全体が溶けるように枯れてしまいます。水はけと風通しを良くして育てましょう。感染した場合は薬剤を散布しますが、広がる場合は残念ですが抜き取り、処分します。

軟腐病・・・高温多湿で出やすいです。細菌が寄生することで、株が枯れてしまいます。株元から腐敗し特有のにおいがします。薬剤が効きにくいですので、発生したら株を抜き取って処分します。

ブラックデス・・・ウイルスに感染することで、茎葉や花に黒いシミができ、やがて枯れてしまいます。感染した場合は、残念ですが抜き取って処分します。アブラムシで感染が広がりますので、アブラムシの駆虫をして予防します。

ハモグリバエ、ハナキムシ、ナメクジ、ヨトウムシ、アブラムシ、アザミウマ、ハダニなど

見つけらたすぐに取り除くか、薬剤を散布するなどの方法で防除しましょう。

必要な作業

花がら摘み・・・花がら(萼片)を長く楽しむ事ができますが、見苦しくなり始めたら株元から切り取ります。

種を採る場合は、種が成熟するのを待って、花がらを切り取りましょう。

ふみぽん
ふみぽん

採種しない場合は、種を作る部分(子房)を切り取っておくと、株が弱るのを防ぐことが出来ますよ!

古葉切り・・・適期は11月~12月頃です。新芽が出てきたら、古い葉や新芽の邪魔になりそうな葉などを根元から3~5㎝くらい上の所で切り取りましょう。

この時期以外の時期でも、枯れた葉や傷んだ葉は、見つけたらすぐに取り除きましょう。

(植え付け直後のポット苗など、まだ小さめの苗は葉を切らなくて大丈夫です。)

まとめ

クリスマスローズは、庭の花が寂しくなる冬の時期から咲き始めて、お庭を素敵に彩ってくれます。花(萼片)の持ちが良くて、色の変化が楽しめるのも魅力です。丈夫で育てやすいですので、初心者の方でも安心して育てられます。花色や咲き方もさまざまですので、ぜひお気に入りを見つけて、育ててみて下さいね。おすすめです!

クリスマスローズの育て方のポイントは・・・

  • 半日陰の場所に、水はけの良い土で
  • 水やりは控えめ(乾燥気味)で
  • 肥料を適宜、施して
うつむいて咲きますので、少し高い所に置いて楽しんでいます。
ふみぽん
ふみぽん

あなたのお庭やベランダに、たくさんのクリスマスローズの花が咲きます様に。

花色も咲き方もさまざまありますので、次々と育てたくなってしまいます(笑)
ちーちゃん
ちーちゃん

春に先駆けて、かわいく咲くのが楽しみだなっぴー

コメント

タイトルとURLをコピーしました