昔から、切り花や花壇で親しまれてきたヤグルマギク。
スッと伸びた花茎の先に、たくさんのお花を咲かせてくれます。
今回の記事では、ヤグルマギクの育て方、種まきや植え付け方などについてご紹介します。
ヤグルマギクはどんな花でしょう?
東ヨーロッパが原産の一年草です。花が矢車のように見える事から、その名が付けられました。
「ヤグルマソウ」と呼ばれることもありますが、別の植物に付けられている名前なので、「ヤグルマギク」が正しいとされています。
スッと高く伸ばした花茎の先に、かわいいお花を咲かせてくれます。花茎は枝分かれして、次々とたくさん咲かせてくれます。花色は、白、ピンク、紫、青、赤などがあります。

背が高く咲きますので、花壇の後方で他の草花と組み合わせると、とても素敵な景色になります。
ヨーロッパの麦畑やトウモロコシ畑では雑草化するくらい丈夫で、環境が合えばこぼれ種でも増えます。初心者の方でも安心して育てられます。
お花は乾燥しても色あせしにくいですので、ドライフラワーとしても利用できます。

大輪で八重咲きの品種や、草丈30cmほどの矮性種、暖かい地方で冬に咲く早生の品種などもあります。他にも、花が黄色いイエローサルタンなども人気です。

我が家の春の庭に欠かせない花ですよ!毎年育てています。

バラとの相性も、とても良いのだっぴ―
ヤグルマギク | |
科名 キク科 | |
特性 秋まき一年草 | |
花期 3~7月 | |
草丈 30~100cm | |
耐寒性 強 耐暑性 普通 |
*ヤグルマギクには、宿根性の品種もありますが、こちらの記事では一年草のヤグルマギクの育て方についてご紹介します。
ヤグルマギクの育て方は?
適した場所
日当たりと水はけの良い環境が適しています。日陰や湿った土地では育ちません。
酸性土壌が苦手ですので、あらかじめ石灰などで中和しておくと良いです。
また排水が悪いと根腐れをおこしますので、土の水はけを良くすることが大切です。
夏越し
一年草ですので、夏に入る前には枯れてしまいます。
冬越し
丈夫で寒さには強いですので、冬越しの対策は特に必要ありません。
増やし方
種まきで増やすことができます。春に出回る苗を購入して、植え付ける事も出来ます。
種まき
適期は、9月下旬です。
トレーやポットなどにまきます。暖かい地域では、直まき(花壇や植木鉢に直接まく)も出来ます。

発芽率は、とても良いのだっぴー!
トレーにまく場合
①底に穴の空いたトレー等に種まき用の土を入れ、水で湿らせておきます。土は新しいものを使いましょう。

イチゴのパックや豆腐のパック、卵パックの底に穴を開けて利用してもいいですね!
②トレーの土の上に、種を重ならないようにバラまきにします。
⓷種に土を軽くかぶせたら、手のひらや指先などで軽く押さえて、優しい水流で水やりします。

*発芽するまで、土を乾かさないように管理します。
*本葉が2~3枚出て来たら、ポットに植え替えましょう。
ポットにまく場合
①ポットに草花用の培養土を入れて、水で湿らせておきます。土は無肥料のものが適しますので、肥料の入っている培養土を使う場合には、上に1cmほど種まき用の土を重ねておくと安心です。
②指の先を土の表面に浅くさして、いくつか穴をあけます。
⓷あけた穴に、2~3粒づつ種を蒔きます。
④土を軽くかぶせて、土の表面を手のひらや指先で軽く押さえたら、優しい水流で水やりします。
*発芽したら、適宜間引きながら育てます。
*ポットに根が回ってきたら、花壇や植木鉢に定植しましょう。
直まきの場合
①種をまく場所の土に、種まきの2週間くらい前に苦土石灰を混ぜてよく耕しておきます。堆肥や腐葉土も一緒に混ぜておきましょう。
②土の表面を平らにしたら、指の先を刺して、いくつか浅く穴を開けます。
⓷あけた穴の中に、2~3粒ずつ種を入れて軽く土をかぶせます。手のひらや指先で、軽く土の表面を押さえておきましょう。
④種が流れないように、優しい水流で水やりします。
*発芽するまで、土を乾かさないように管理します。
*最終的に株と株の間が、20~30㎝間隔ぐらいになるように、適宜間引きながら育てましょう。
植え付け
適期は、10月下旬~11月下旬です。
酸性の土を嫌がりますので、苦土石灰で中和してから植え付けましょう。
地植えの場合
①植え付けの2週間くらい前に、植え付ける場所の土に苦土石灰を混ぜて良く耕しておきます。堆肥や腐葉土も一緒に混ぜておきましょう。
②植え穴を掘ります。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
⓷ポットから取り出した苗を植え穴に入れて、高さを調整します。枯れた下葉などは、取り除いておきましょう。
④周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤たっぷりと水やりします。
*いくつかの株を植える場合は、株と株の間を20~30㎝程度あけておきましょう。
鉢植えの場合
①背が高くなりますので、少し大きめの植木鉢を用意します。
②鉢の底に、ネットに入れた鉢底石を1。5cmくらい敷きます。
⓷鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の所まで土を入れます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
土は、赤玉土7:腐葉土3で配合した土か、市販の草花用培養土でも大丈夫です。
④ポットから取り出した苗を入れて、高さを調整します。枯れた下葉などは、取り除いておきましょう。
⑤周りにも隙間のないように土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑥鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
*いくつか植える場合は、株と株の間を20~30㎝程度あけておきましょう。
植え替え
移植する時に、根を切ってしまうと生育が悪くなってしまいます。一度植え付けたら植え替えはぜず、そのまま育てるようにしましょう。
水やり
地植えの場合・・・根付くまでは土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。根付いた後は、水やりはほとんど必要ありません。雨が何日も降らず乾燥が続く場合には、たっぷりと水やりします。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
肥料
やせ地や荒れ地でも良く育つ性質ですので、肥料はあまり必要としません。肥料が多すぎると茎葉ばかりが茂って、倒れやすくなります。
植え付けの時に、元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
地植えの場合・・・その後の追肥は、肥えた花壇であればほとんど必要ありません。
鉢植えの場合・・・その後の追肥は、緩効性化成肥料を月1回施すか、又は液肥を2週間に一度程度施しましょう。
病害虫
立ち枯れ病・・・急に株全体が黒っぽくなり枯れてしまいます。連作すると病気にかかることがありますので、植え場所を変えるようにすると予防できます。病気の部分は見つけ次第取り除き、薬剤を散布します。ひどい場合は、残念ですが株ごと処分します。
アブラムシ・・・高温乾燥の時期に付くことがあります。蕾に付くと花が咲かなくなるので見つけ次第、手で取り除くか、薄めた牛乳をスプレーして窒息させます。
ヨトウムシ・・・葉が大量に食べられて、大きなフンがたくさん落ちていたら疑います。株元の土を浅く掘ると出てくることがあります。夜行性ですので、夜にパトロールして見つけ次第、捕まえます。
必要な作業
花がら(咲き終わった花)摘み
咲き終わったお花はこまめに摘み取りましょう。また、次々とお花を咲かせてくれます。
採種(種とり)
種を採る場合は、花がらを摘まずに、いくつかそのまま残しておきます。茶色く枯れてきたら収穫し紙袋などに入れて、次の種まきの時期まで冷暗所で保管しておきます。
摘心(枝の先を摘む)
茎が伸び始めた頃(草丈10~20cm位の時)に摘心(枝の先を摘む)すると、側枝を伸ばして花数が増えます。摘心せずに育てても、大丈夫です。
支柱立て
草丈が高く育ちますので、倒れそうな場合は支柱で支えましょう。
その他
枯れた下葉などは、こまめに取り除きましょう。風通しが良くなり、病害虫の予防になります。
まとめ
ヤグルマギクはスッと伸びた茎の先に、かわいいお花を咲かせてくれます。草丈が高いですので、たくさんのお花が咲くと、とても見応えがあります。また、バラや他の草花との相性もバツグンに良く、素敵な景色を作ってくれます。我が家の春の庭には欠かせないお花で、種取りと種まきをして、毎年育てています。種まきは、発芽率が良く、生長も早く育てやすいですので、初心者の方にも挑戦して頂きたいです。ほとんど植えっぱなしで、可愛いお花を次々とたくさん咲かせてくれますので、とてもおすすめのお花です。ぜひ育ててみて下さいね!
ヤグルマギクの育て方のポイントは、、、
- 日当たりと、水はけのよい環境で
- 酸性土壌を石灰で中和して
- 肥料は、控えめで


あなたのお庭やベランダに、たくさんのヤグルマギクの花が咲きます様に!

スッキリと背が高く咲くのが、楽しみだなっぴー
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