スッと伸ばした花穂に、たくさんのお花を咲かせてくれるバーバスカム。
ボリュームがあり、花壇でもパッと目をひきます。
今回の記事では、バーバスカムの種まきや植え付け、お手入れの仕方などについてご紹介します。
バーバスカムはどんな花でしょう?
春に、葉の間からスッと花茎を伸ばして、花穂にたくさんのお花を咲かせてくれます。花穂が長めですので、存在感があります。

一つ一つのお花は、短命ですぐに散ってしまいますが、次々と多くのお花を咲かせてくれますので、長い期間楽しむ事が出来ます。シルバーリーフの品種は、葉を楽しむ事も出来ます。

花色は、紫、ピンク、オレンジ、黄、白などがあります。
イングリッシュガーデンでは、ボーダーガーデンの後方などによく利用されています。単体で植えても、多くの株を群生させても美しく見応えがありますので、人気のあるお花です。
ヨーロッパの地中海沿岸地域やアジアが原産地です。日本では、道路脇などに野生化している「ビロードモウズイカ」の仲間になります。
主な品種
バーバスカム・ボンビシフェルム(シルバー・ムレイン)
銀白色のシルバーリーフが特徴です。草丈は、1~2メートルと大きく育ちます。花色は黄色です。冬には地上部が枯れてなくなります。
ビロードモウズイカ
日本でも、各地で野生化している強健種です。環境が合えば、こぼれ種でもよく増えます。大型で草丈が2メートル近くにもなりますので、とても見応えがあります。フェルトのようなシルバーリーフが美しく、花色は黄色です。宿根草なのですが、夏の高温多湿の環境には弱く、暖かい地域では、花後に枯れてしまうことが多いです。
クロモウズイカ
草丈は、60~90cm程度の種類です。黄色い花びらに、濃い赤紫色の目が入ります。
バーバスカム・シェクシー
草丈は、90cm程度になります。華奢な感じのする草姿で、長い花穂に散らばるように小さなお花を長い期間咲かせてくれます。花色は、白い花びらに赤い目が入ります。葉は、フエルトのようなシルバーリーフです。
バーバスカム・フォエニセウム
草丈60~130cm程度です。葉は緑色で、毛は生えていません。耐暑性が少し弱いですので、日本では2年草扱いになります。本種を中心に多くの園芸品種が作られていて、花色も、白、ピンク、アプリコット、黄色など豊富です。小型に改良された品種(矮性種)で、草丈60cm程度で収まってくれる「サザンチャーム」「ビオレッタ」などがあります。

品種によって草丈に差がありますよ。

気に入った品種を見つけて、育ててほしいのだっぴ―!
バーバスカム |
科名 ゴマノハグサ科 |
特性 宿根草、二年草 |
花期 5~7月 |
草丈 50~200cm |
耐寒性 強 耐暑性 弱 |
バーバスカムの育て方は?
適した場所
日当たりと水はけ、風通しの良い場所が適しています。
半日陰の場所でも大丈夫です。地植えの場合は、真夏に西日を避けられる場所に植え付けましょう。
夏越し
高温多湿の環境には弱いです。
温暖な地域では、夏の暑さに耐えられずに枯れてしまうことがありますが、涼しい場所で乾かし気味で管理すると、夏越し出来る場合があります。
地植えにする場合には、西日を避けられる場所を選びましょう。
鉢植えの場合は、真夏は風通しの良い涼しい場所に移動させます。
冬越し
耐寒性は強いですので、冬越しの心配はほとんどありません。
多くはロゼット(葉が地面に沿って、放射状に広がった状態)で冬越しします。
増やし方
種まき
適期は、春(3~5月頃)と秋(9~11月頃)です。

短命な宿根草なのだっぴー!毎年種を採って種まきすると良いのだっぴー!
①底に穴の空いたトレー等に、種まき用の土を入れて水で湿らせておきます。土は新しいものを使いましょう。
②土の上に、まばらに散らばるように種をまきます。薄く土をかぶせ(覆土)たら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。

とても細かい種ですので、種に砂を少し混ぜてから種まきすると、均等に散らばりやすくなりますよ!
③種が流れないように、優しい水流で水やりします。又は、底面給水します。
*発芽するまでは、明るい日陰で土が乾かないように管理します。
*本葉が2~3枚出て来たら、ポットに移植します。ポットに移植した後は、適宜肥料を施しながら育てましょう。しっかりとした苗に育ったら、花壇や植木鉢に定植します。

秋まきした場合は、翌々年の春にお花が咲きますよ。気長に育てて下さいね。
植え付け
適期は、春(3~5月頃)と、秋(9~11月頃)です。
市販の苗を購入した場合には、すぐに植え付けましょう。

春に種まきして育てた苗は、秋に植え付けるのだっぴー。
地植えの場合
①植え付ける場所の土に、堆肥や腐葉土を混ぜて良く耕しておきます。元肥の緩効性肥料も施しておきましょう。
②植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を入れて高さを調整します。
③周りにも土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
④たっぷりと水やりします。

育った時の大きさを考えて、株と株の間隔を十分にあけて植え付けるのだっぴー!
鉢植えの場合
①植木鉢の底に、鉢底石を1.5cm位の高さまで敷きます。
②鉢底石の上に、鉢の高さの3分の1位の所まで土を入れます。元肥の緩効性肥料を施しておきましょう。
土は水はけの良いものが適しています。市販の草花用培養土かまたは赤玉土7:腐葉土3で配合した土でも大丈夫です。

市販の土や配合した土に、さらに軽石小粒や川砂などを混ぜて水はけを良くしても良いですね。
③土の上に、ポットから取り出した苗を置いて高さを調整します。鉢の縁から1.5cm位下に、苗を植えた土の表面が来るように、ウォータースペースをあけておきます。
④周りにも隙間のないように土を入れたら、土の表面を手のひらで軽く押さえます。
⑤鉢底から流れるくらい、たっぷりと水やりします。
植え替え
直根性で移植を嫌がりますので、大きく育った株は植え替えしない方が無難です。
どうしても植え替える場合は、出来るだけ苗が小さい間に行い、大きく育った株の場合は、根を傷つけないように注意して行いましょう。

植え替えると、枯れてしまう事もあるのだっぴー。
水やり
多湿を嫌がりますので、水のやり過ぎに気を付けましょう。ただし、蕾が付いてから開花期間中は、極端に乾燥させないようにします。
地植えの場合・・・根付いた後は、特に水やりの必要はありません。何日も雨が降らず、乾燥が続く場合にはたっぷりと水やりします。
鉢植えの場合・・・土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
肥料
肥料は少なめで大丈夫です。
植え付けの時に、元肥の緩効性肥料を施しておきます。
地植えの場合・・・その後の追肥は、特に施さなくても大丈夫です。
鉢植えの場合・・・その後の追肥は春と秋に、少量の緩効性肥料を施しましょう。
〇育苗中(定植する前、ポットで苗を育てている期間)は、月に一度程度、少量の緩効性肥料を施すか又は、月に1~2回程度、薄めた液肥を施しましょう。

育苗中にしっかりと大きく育てていないと、次の年に良い花が咲かないのだっぴー!
病害虫
立ち枯れ病
根や地際部分が腐ってしまう病気です。日当たりと風通しをよくして蒸れないように管理します。
メイガ類
地際の茎に幼虫が入り込んで食害することがあります。春に花茎が伸びてきたら気を付けましょう。見つけたら、早めに駆虫しましょう。

我が家では地植えで育てているのですが、地面に張り付いたように広がる葉が、何者かに食べられる被害があります(涙)
必要な作業
花がら(終わった花)摘み、切り戻し
花がらはこまめに摘み取るようにしましょう。咲き終わった花が落ちた場合も、拾っておくと病気の予防になります。
花穂の花が咲き終わってきたら、早めに花穂の下でカットしましょう。脇芽が伸びて、次のお花を咲かせてくれます。また、花茎の全部のお花が咲き終わったら、根元で切り戻します。
採種
種を採る場合は、必要な分だけ花がらを摘まずにそのまま残しておき、茶色く枯れてきたら収穫しましょう。次の種まきの時期まで、紙袋などに入れて冷暗所で保管しておきます。

バーバスカムは短命ですので、毎年種取りと種まきをして株を更新して育てる方が安心ですよ!
下葉摘み
枯れた下葉は取り除いておきましょう。見た目がスッキリとするだけでなく、風通しが良くなり、病害虫の予防にもなります。
支柱立て
花茎が長く伸びて来たら、花穂が折れないように適宜支柱を立てましょう。
まとめ
バーバスカムは、とても可愛らしいお花をたくさん咲かせてくれます。わが家では、花壇の後方に植えています。夏には、前方に植えた宿根草が茂り、ちょうど陰になる場所ですので、環境が合うのか7~8年くらい、毎年お花を咲かせてくれています。一緒に植えたピンク色のお花の方は、夏越しが難しく、残念ながら枯れてしまいましたが・・・(涙)毎年開花を楽しみにしているお花の一つです。かわいいですので、是非育ててみて下さいね!おすすめです。
バーバスカムの育て方のポイントは・・・
- 日当たりと風通し、水はけの良い場所で
- 真夏の、高温多湿の環境に気を付けて
- 水をやり過ぎないようにして


あなたのお庭やベランダに、たくさんのバーバスカムのお花が咲きます様に。


花穂を伸ばして、かわいいお花が咲くのが楽しみだなっぴー!
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